船の司令塔「操舵室」の秘密!立入禁止の理由とブリッジとの違いを解剖

船の司令塔「操舵室」の秘密!立入禁止の理由とブリッジとの違いを解剖

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フェリーやクルーズ客船に乗船した際、操舵室へ続く通路には必ず「関係者以外立入禁止(KEEP OUT / CREW ONLY)」の重々しいプレートが掲げられています。操舵室がこれほど厳格に閉ざされている背景には、安全保障と航行安全上の重大な理由が存在します。

最大の要因は、2004年に発効した国際条約「ISPSコード(国際船舶・港湾保安条約)」です。2001年の米国同時多発テロ事件を契機に、テロリストによる船舶のハイジャックや妨害行為を未然に防ぐため、船の指揮中枢である操舵室はセキュリティ制限区域に指定されました。

操舵室の環境管理という技術的な理由もあります。特に夜間航海において、航海士たちは暗闇に目を慣らす「暗順応」を行っています。操舵室の照明は計器類の文字がかすかに読める程度の暗赤色に落とされており、不用意に外部の光が入ったりスマートフォンの画面が光ったりするだけで、漆黒の海に浮かぶ無灯火の小型漁船や浮遊物を見失う命取りのリスクにつながります。

操舵室を一般人が見学できるチャンスは極めて限られていますが、完全な不可能ではありません。以下のような特別な機会を利用することで、その内部を体感できます。

・クルーズ客船のバックステージツアー:一部の大型クルーズ船では、航海日かつ保安レベルが平穏な時間帯に限定した有料・抽選制の操舵室見学ツアーが開催される場合があります。
・保存展示船の見学:横浜の「氷川丸」や東京・お台場の「宗谷」など、引退して博物館となった歴史的船舶では、操舵室内部が常時一般公開されています。
・海事イベント・港湾フェスティバル:海の日や地方港の開港記念日などに開催される練習船(海技教育機構の「日本丸」「海王丸」など)の一般公開イベントで操舵室が公開されるケースがあります。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。