検索エンジンで「メラミン」と入力すると、関連ワードに「毒性」「人体への影響」といった不穏なキーワードが並びます。こうした不安が生じる背景には、2008年に海外で発生した「粉ミルクへのメラミン混入事件」の記憶と、原料に含まれる「ホルムアルデヒド」への懸念があります。
当時、海外の悪徳業者がタンパク質の見かけの含有量を偽装するため、窒素を多く含むメラミン単体の粉末を食品に不正混入させ、乳幼児に深刻な腎不全を引き起こす事件が発生しました。このセンセーショナルな報道によって「メラミン=猛毒物質」という強烈なネガティブイメージが一般に定着したのです。
食品安全の専門家や公的機関の見解によると、化学物質としてのメラミン単体を経口摂取することと、完全に重合反応を終えてプラスチックとして固化されたメラミン樹脂を使用することは全く別次元の話です。
日本国内で流通するメラミン食器は、食品衛生法に基づく厳格な規格基準(厚生省告示第370号)をクリアすることが義務付けられています。重合反応によって分子同士が強固に結合しているため、通常の使用条件下(耐熱温度内での使用)においてメラミンの毒性や危険性が生じるレベルの成分溶出は確認されていません。日用品や外食チェーンで日常的に使う上で、過剰な健康被害の懸念を持つ必要はないと結論付けられています。