小和田邸の保全について、皇室の事務を司る宮内庁はどのようなスタンスを取っているのか。結論から言えば、宮内庁が民間人である小和田家の私有財産に直接介入することはない。あくまで私的な住居である以上、公費の投入や公的な保護指定を行うことは制度上不可能だからだ。
しかし、皇室ファンや建築愛好家の間からは「昭和から平成、令和へと続く近代皇室の重要な記念碑として、何らかの形で保存できないか」という声が根強く存在する。海外では王妃や大統領の生家がナショナルトラストや民間財団によって保存・公開される例も多い。日本においても、単なる個人の家屋を超えた文化的価値を見出す議論が、専門家の間でも静かに交わされている。