渋谷龍太の才能は、SUPER BEAVERのロックボーカルという枠組みにとどまりません。多方面における表現活動を通じて、その類まれな言語感覚と世界観を拡張し続けています。
その筆頭が、「澁谷逆太郎ソロ名義」での音楽活動です。バンドのアグレッシブなバンドサウンドとは対照的に、逆太郎名義ではアコースティックギターや繊細なエレクトロニカを取り入れたチル&メロウなサウンドスケープを展開。より内省的でパーソナルな感情を紡ぎ出し、シンガーソングライターとしての奥深い音楽性を証明しています。
文筆業においても高い評価を獲得しています。バンドの紆余曲折の歴史を赤裸々に綴った長編「渋谷龍太エッセイ小説」『都会のラクダ』(360ページに及ぶ大作)は、音楽ファンの枠を超えて多くの読者の心を打ちました。さらに音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』での連載エッセイ「俺はいいけど、うちの大将がなんて言うかな」など、愛猫との暮らしを交えながら日常の機微を描く筆致は、作家としての高い構成力を示しています。
また、ニッポン放送『渋谷龍太オールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティを務めた経験は、彼の名をお茶の間に浸透させる大きな契機となりました。深夜ラジオならではの軽妙な語り口、リスナーの悩みに真摯に向き合う真面目さ、そして時折見せる毒舌とユーモアの絶妙なバランスは、多くのヘビーリスナーを魅了しました。