インターネット上のトレーニング動画で散見されるのが、「プランクを5分間耐久する」「体を板のようにガチガチに固める」といった過剰な静的耐久トレーニングの推奨です。しかし、近年のスポーツバイオメカニクス研究において、このアプローチには明確な限界と弊害が指摘されています。
バスケットボールは、ストップ、ジャンプ、ターン、接触が絶え間なく連続するオープンプレイスキルのスポーツです。体幹を単に一本の硬い丸太のように固めてしまうと、胸椎の回旋(上半身のひねり)や股関節の柔軟なクッション機能が奪われます。結果として、ドライブの切り返しが鈍くなり、相手のフェイクに引っかかった際のリカバリーが遅れるという逆効果を招きます。
真に必要なのは、固める力(スタビリティ)と動かす力(モビリティ)の共存です。腰椎(腰の骨)は安定させつつ、胸椎(背中の骨)と股関節は360度自在に動く状態を保たなければなりません。「体幹トレーニングを熱心にやり始めてから腰が痛くなった」と訴えるプレーヤーの多くは、胸椎や股関節の硬さを腰椎の無理な動きで代償しているケースが目立ちます。固定することだけを目的にしたトレーニングは、即刻見直す必要があります。