被害妄想が強まっている人物と対峙した際、最も避けるべきは「そんな事実はない」と正面から反論することだ。真っ向からの否定は「やはりこの人も敵だ」という確信を相手に与えてしまう。一方で、存在しない事実に対して虚偽の同調をすることも、後々の言動の矛盾を生みトラブルの火種となる。
会話のコツは、感情への共感と事実の切り離しにある。「そう感じてつらかったのですね」と相手が抱いた苦痛や不安という感情の側面にのみ一定の理解を示しつつ、事象そのものについては客観的かつ淡々と事実関係のみを確認する姿勢を崩さないことが鉄則だ。曖昧な表現を排し、書面やメールなど記録に残る形でやり取りを行うことも、誤解を防ぐ強力な手段となる。