小さな子どもが座れる「足入れタイプ(パンツ型)」の浮き輪は、体が沈み込まず安定して見えるため、乳幼児を持つ保護者から根強い人気を集めています。しかし、消費者庁や日本小児科学会などが繰り返し警鐘を鳴らしている通り、この形状には「ひっくり返ると自力で起き上がれない」という致命的な構造的リスクが存在します。
一般的な輪形状の浮き輪であれば、万が一ひっくり返っても体が外れて浮上できます。しかし、足入れタイプは下半身が固定されているため、波や子どもの急な重心移動で転覆した場合、「頭が水中に沈み、両足が上がった状態」で固定されてしまいます。水中で子どもが自力で体を起こすことは不可能です。
また、従来のO型浮き輪においても、体に対してサイズが大きすぎると腕を上げた瞬間に体がすり抜ける「すっぽ抜け」が発生します。子どもの浮き輪事故を防ぐためには、大人が常に手を伸ばせば届く距離(ワンアームディスタンス)で見守る姿勢が前提となります。