宇宙世紀0079年12月、一年戦争末期。サイド6の工業コロニー「リボー」は中立地帯であり、戦争とは無縁の平和を享受していました。そこに暮らすガンダム0080の主人公の年齢はわずか11歳。小学5年生のアルは、戦争をテレビゲームや模型の延長線上のイベントとして捉え、連邦軍とジオン軍のエンブレムや薬莢集めに熱中する典型的なミリタリー好きの子供でした。
そんな退屈な日常は、ジオン軍の特殊部隊「サイクロプス隊」が連邦軍の新型モビルスーツ強奪を狙ってコロニー内に潜入したことで一変します。不時着したザクに偶然乗り合わせたアルは、新米パイロットのバーニィと出会い、カメラの階級章写真と引き換えにサイクロプス隊の工作活動に協力することになります。
大人たちのスパイ活動に片足を突っ込み、「大人の仲間入り」を果たしたと得意がるアル。しかし、作戦「ルビコン計画」は無残に失敗し、隊長シュタイナーをはじめとするサイクロプス隊の歴戦の兵士たちはアルの目の前であっけなく射殺されていきます。転がる薬莢の熱さ、血の匂い、そして崩壊する街並み――。アルの「ポケット」という狭い日常の中に、戦争という怪物が容赦なく入り込んできたのです。