政治学者・中北浩爾の思想を検証|保守かリベラルか?分析の神髄

政治学者・中北浩爾の思想を検証|保守かリベラルか?分析の神髄

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中北氏の真骨頂は、右派・左派双方の陣営が聖域化しがちな組織のブラックボックスに学術的なメスを入れた点にあります。

自民党研究においては、ベストセラーとなった『自民党―「一強」の実像』(中公新書)や派閥研究の決定版とされる諸著書で、派閥が果たしてきた人事・資金調達・政策形成の機能を歴史的・構造的に分析しました。単に派閥を「悪」として切り捨てるのではなく、首相の権力集中を牽制する分権的システムとしての役割を評価しつつ、それが変質して裏金問題を生み出した病理を構造的に明らかにしています。

一方で、2022年に刊行された『日本共産党 「革命」をめざす党の全貌』(中公新書)では、これまで部外者には不可侵とされてきた共産党の組織構造、党首公選を行わない民主集中制の実態、党員減少と高齢化という構造問題を客観的なデータに基づいて論じました。この著作は論壇に大きな衝撃を与え、共産党側から機関紙等で異例の猛反論を受けることとなりましたが、批判に対して中北氏は終始、一次資料と事実関係に基づく冷静な再反論を展開し、学術的誠実さを示しました。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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