「3番目の都市」を巡る論争が複雑化する最大の要因は、行政区域単体の「法定人口」と、実際の「都市圏経済規模」の間に大きな乖離があることに起因します。
自治体単位の政令指定都市ランキングを見ると、特別区(東京23区:約970万人)を除外した場合、日本で最も人口が多い市は神奈川県横浜市(約377万人)です。大阪市(約275万人)や名古屋市(約233万人)を大きく引き離しているため、「人口順なら横浜が第2または第3の都市ではないか」という疑問が生じます。
しかし、都市の規模を測る指標として国際的にも重視されるのは、行政境界で区切られた単体人口ではなく、雇用や商圏を包括する「都市雇用圏(UEA)」や「域内総生産(名目GDP)」です。
経済産業省の工業統計や内閣府の県民経済計算を参照すると、愛知県を中心とする中京圏の製造品出荷額等は40年以上にわたり全国第1位を独走しています。単体の人口だけを見れば横浜が勝るものの、独自の広域経済圏を確立し、世界的な産業集積を背景に持つ点において、名古屋が三大都市の一角とされる正当性は揺るぎません。