降板後の田中萌アナを待ち受けていたのは、長い潜伏と我慢の日々だった。地上波の主要番組からは完全に姿を消し、社内でのデスクワークやアナウンス部での裏方作業に専念する日々が続いた。「このまま退社するのではないか」という噂が何度も週刊誌を賑わせたが、彼女は局に留まる道を選んだ。沈黙を守り続ける姿勢は、結果として彼女のキャリアにおける最大の踏ん張りどころとなった。
風向きが変わり始めたのは、インターネットテレビ「ABEMA」の台頭と時期を同じくする。2018年以降、報道番組『AbemaPrime』などのネット配信コンテンツに投入された田中アナは、従来の地上波女子アナ像とは一線を画す「毒舌」や「素の自分」を隠さないキャラクターを開花させた。飾らない本音トークと過去の挫折を裏に秘めた人間味は、若い視聴者層を中心に新たな共感を生み出していった。