クリスマスツリーに常緑針葉樹が使われるようになった背景には、古代ヨーロッパの信仰とキリスト教文化の融合があります。真冬でも青々と葉を茂らせるエバーグリーン(常緑樹)は、厳しい寒さの中でも途絶えない「永遠の生命」や「不滅の信仰」の象徴として古くから崇められてきました。
ツリーの起源として名高いのが、8世紀のドイツで宣教師聖ボニファティウスが異教徒の信仰対象だったカシの大木を切り倒した際、そのすぐそばからモミの若木が生えてきたという伝説です。三角錐の美しい樹形がキリスト教の「三位一体(父・子・聖霊)」を表していると解釈され、冬至祭(ユール)の風習と結びつきながら、現在のクリスマスツリーの形へと定着していきました。
ツリーのてっぺんに飾る「トップスター(ベツレヘムの星)」や、かつて本物のリンゴを吊るしていたオーナメントボール(知恵の樹の実)など、飾り付けの一つひとつにも生命の繁栄と救済への願いが込められています。