二人の運命を分けた最大の転換点は、太宰治のポートマフィア離脱です。その引き金となったのは、小説『太宰治と黒の時代』で描かれた、太宰の唯一無二の親友・織田作之助(オダサク)の死でした。森鴎外の冷酷な策謀によって親友を失った太宰は、「人を救う側になれ」という織田作の遺言を受け入れ、忽然と組織から姿を消します。
当時、出張中だった中也は、太宰の脱退を知った際に「高級ワイン(シャトー・ペトリュス1973年)を開けて祝杯を挙げた」という有名な逸話が残されています。しかし一方で、太宰はその日の夜、中也の愛車に時限爆弾を仕掛けて爆破するという強烈なしっぺ返しを残していました。この逸話一つをとっても、二人の関係の歪さと底知れなさが如実に表れています。
離脱から数年後、ファンの間で伝説として語り継がれている名シーンが以下のエピソードです。
- ギルド(組合)編での双黒復活:組合の異能者ラヴクラフトとジョン・Sを前に、太宰の計略と中也の「汚濁」が再び炸裂。数年の空白をものともしない呼吸の一致を見せつけました。
- 劇場版『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』:ヨコハマ壊滅の危機に際し、中也が単身で敵地へ突入。太宰を信じて躊躇なく汚濁を解放し、自らの命を預けた伝説の空中戦。
- ムルソー刑務所編(原作最新章):欧州の特殊刑務所「ムルソー」に収監された太宰と、魔人フョードル側の吸血鬼化(使徒)として現れた中也。敵味方に分断された状況下で繰り広げられた、幾重にも張り巡らされた心理戦と驚愕のトリック。