物語を通じて美来を精神的に追い詰め、読者から強いヘイトと関心を集め続けたのが榎本すあ(ヒョン・スア)の正体と動機です。
誰もが見惚れる天然の美貌を持ち、一見すると無邪気で心優しいアイドルのような振る舞いを見せるすあ。しかしその本性は、「すべての男性から一番愛されていなければ気が済まない」という異常な執着と、整形によって美しさを手に入れた人間への激しい憎悪を抱えた人物でした。
物語終盤、すあの歪んだ人格の原点が明かされます。彼女は幼少期に実母から育児放棄(ネグレクト)され、不潔な身なりを理由にいじめられていた過去がありました。祖母に引き取られ、小綺麗に着飾ることで初めて周囲からチヤホヤされた原体験が、「外見による承認=自らの生存価値」という強固な認知の歪みを生み出してしまったのです。
ネットのストーカー事件を機に化けの皮が剥がれたすあは、美来に対して「あなたのような偽物が私と同じ土俵に立つな」と感情を爆発させます。しかし、美来から「綺麗になっても満たされないなら、あなたはずっと不幸なままだ」と本質を突かれ、完全に崩壊。原作漫画の結末では、自慢だった長い黒髪をばっさりと切り落とし、男性に媚びる生き方を捨てて一から人生をやり直す姿が描かれました。