樋口可南子のキャリアを振り返ると、その出発点からすでに規格外の輝きを放っていました。1978年のポーラテレビ小説『こおろぎ橋』でデビューを果たすと、瞬く間にその圧倒的な美貌と凛とした色香が映画界の注目を集めました。
1980年代には、映画『戒厳令の夜』や谷崎潤一郎原作の『卍(まんじ)』、深作欣二監督の『上海バナナ』、名作『陽暉楼』など、日本映画史に残る重厚な文芸作品や官能的な名作に次々と出演。体当たりの演技と気品が同居する唯一無二の女優として不動の地位を築きます。
さらに1991年に刊行された写真集『Water Fruit』(撮影:篠山紀信)は、それまでの日本の出版界・表現の枠組みを根底から揺るがす一大社会現象となりました。単なるセンセーショナリズムに留まらず、芸術的な美しさと女性の自立した肉体美を提示したこの一冊は、日本のヘアヌード論争の決定打となり、表現の自由の歴史を大きく前進させた金字塔として今も語り継がれています。