かつてのアングラカルチャーは、昭和の熱狂と裏社会の匂いを色濃くまとっていた。Netflixで世界的な話題を呼んだドラマ『全裸監督』で描かれた、村西とおるが駆け抜けた狂騒の時代を想起する人も少なくないだろう。生々しい欲望と反骨精神が渦巻いていたかつてのシーンと比べると、現在のそれは驚くほどスマートに脱色されている。
変化を加速させたのは、他でもないX(旧Twitter)を中心としたSNSの存在だ。かつて口コミや怪文書じみた掲示板でしか得られなかった情報は、今や詳細な体験談や店舗レビューとしてタイムライン上にリアルタイムで流れてくる。匿名のインフルエンサーがおすすめの店舗や攻略法を発信し、客側も事前に予習してから訪れるのが当たり前になった。かつてのタブーは、デジタルの波に乗ってカジュアルな選択肢へと姿を変えている。