ドナー登録や提供を巡っては、インターネット上で極端な言説や誤解が飛び交っています。正確な知識を持たないまま家族会議に臨むことが、無用な恐怖と反対運動を増幅させる原因となっています。
誤解1:「ドナー登録したら絶対に断れない」という思い込み
「一度登録したら、適合した際に辞退するのは重大な規約違反になるのではないか」という不安を持つ人が少なくありません。しかし、骨髄バンクでも臓器提供でも、最終同意書に署名する直前までドナー側にはいつでも無条件で辞退する権利が法的に保障されています。提供を強制されることは一切ありません。
誤解2:「本人の意思カードがあれば家族は拒否できない」という誤認
現行の臓器移植法では、本人が生前に書面で「提供したい」と明記していても、家族の誰か1人でも強硬に拒否・反対した現場では、原則として臓器摘出は行われません。医療機関側が親族トラブルや訴訟リスクを回避するため、家族の総意を最優先する運用方針をとっているためです。「自分の身体だから自分で決めた」つもりでも、最終的な決定権は残された家族が握っているのが日本の医療現場の実態です。
誤解3:「ドナー休暇制度があるから仕事は休める」という過信
国家公務員や一部の大手上場企業、先進的な自治体では「ドナー休暇(特別有給休暇)」の導入が進んでいるものの、日本全国の中小企業におけるドナー休暇制度の普及率は依然として極めて限定的です。多くの労働者が「個人の有給休暇を消化」して入院しており、職場の理解不足が家族の「生活に支障が出るから反対」という論理を補強してしまっています。