医療現場の糖尿病自己注射指導において、空打ちの基準量はほぼ例外なく「2単位(0.02mL)」と統一されています。これには注射器および注射針の精密な構造上の根拠が存在します。
現在広く普及しているインスリン用極細針(32G〜34Gなど)の内部空間(デッドスペース)の容積はごくわずかです。製薬会社や医療機器メーカーの実験データにおいて、1〜2単位の液圧をかけることで針内部の空気が完全に押し出され、針先まで薬液で満たされることが実証されています。
1単位では針の個体差や微小な気泡によって薬液が針先に達しないケースがある一方、2単位あれば確実に開通確認とエア抜きが完了します。つまり「2単位」という設定は、薬液の無駄な消費を最小限に抑えつつ、注入の確実性を100%近くまで高めるために導き出された最も合理的な数値なのです。