作中で最も読者の胸を締め付けたのが、矢野あやねとの特別な関係性です。恋愛に対してどこか冷めており、自分を過小評価しがちだったあやねは、自分を一人の人間として対等に見つめ、自信を持たせてくれたピンに対して次第に本気の恋心を抱くようになります。
大学受験と卒業を控えたクライマックス、あやねはついにピンへ想いを告白します。多くの少女漫画なら劇的な成就を描くところですが、ピンが返したのは「教師と生徒の境界線を守り抜いた、極めて誠実な拒絶」でした。
ピンはあやねの好意を茶化すことなく、真っ向から受け止めました。その上で、これから広い世界へ羽ばたいていく彼女の背中を押し、彼女が自分自身を好きになれるよう導いたのです。あやねの涙とピンの大人の包容力が交錯したこの告白シーンは、少女漫画史に残る名場面として語り継がれています。