貼付とは?「ちょうふ」「てんぷ」の正解と添付との違いを徹底解説

貼付とは?「ちょうふ」「てんぷ」の正解と添付との違いを徹底解説

貼付とは?「ちょうふ」「てんぷ」の正解と添付との違いを徹底解説について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

ネット上の言説では「『てんぷ』と読んでも日常会話なら問題ない」という論調が目立ちますが、特定分野においては厳格なルールが存在します。その最たる例が、医療・薬学分野における「貼付薬の読み方」と、官公庁における「貼付公用文での扱い」です。

厚生労働省が定める『日本薬局方』において、湿布や経皮吸収型テープ剤などの医薬品製剤は「貼付剤(ちょうふざい)」と正式に分類されています。調剤薬局の薬剤師や医師国家試験において、これを「てんぷざい」と呼ぶことは原則としてありません。医療現場での口頭伝達ミスは患者の生命や治療に直結するため、製剤の正式名称である「ちょうふ」の呼称が徹底して守られています。

一方、官公庁の文書管理における事情はやや異なります。かつての公用文では「貼付(ちょうふ)」の語が頻繁に使われていましたが、1950年代以降の国語改革および公用文改善運動において、「貼」の字が当用漢字(現・常用漢字)の表外字とされた時期がありました。その結果、公文書や法令用語では「貼り付け」という平易な大和言葉への言い換えが進められました。

現在では常用漢字表に「貼」が追加(2010年改定)されたものの、法制執務の現場では国民への分かりやすさを最優先とし、「貼り付け」と仮名交じりで表記するのが主流となっています。「貼付書類」や申請書の指定枠にわざわざ「貼付」と書かれている場合は、公的な手続きとして糊付けが法的に義務付けられている証左でもあります。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。