成城学園初等学校から一貫して学び、成城大学を卒業した櫻井舞さんは、2009年に日本テレビへ総合職として入社しました。同期や制作関係者の間でも彼女の評価は高く、アナウンス職ではなく報道局の記者を志望した点に、ジャーナリズムへの純粋な情熱が表れていました。
特に彼女が配属された司法記者クラブは、東京地検特捜部や最高裁判所などを担当する報道局の花形であると同時に、24時間体制の夜討ち朝駆けが日常茶飯事の過酷な現場です。彼女は事件の裏付け取材や法廷リポートに泥臭く奔走し、ニュース番組の画面越しに堂々とした解説を届けていました。
しかし、2016年春、彼女は周囲に惜しまれながら日テレを去ることになります。表向きの日本テレビ退社理由は「結婚に伴う寿退社」と広く報じられましたが、現場関係者の証言からはより複合的な事情が浮かび上がります。
第一に、司法記者という過密労働と家庭生活の両立の難しさです。早朝から深夜に及ぶ突発的な事件取材と家庭の両立は、当時のテレビ業界の労働環境下では極めて困難でした。第二に、兄である櫻井翔さんの知名度がさらに跳ね上がり、取材現場において「取材する側」でありながら「嵐・櫻井の妹」という好奇の視線に晒され続けた心理的重圧です。自らのプロフェッショナリズムを守り抜いた末に下した決断は、受動的なリタイアではなく、人生の優先順位を自ら再定義した積極的な選択であったといえます。