岸田今日子が息を引き取ったのは、2006年12月17日午後3時33分、東京都内の病院でのことでした。享年76。公式発表における直接の死因は「脳内出血による呼吸不全」とされています。晩年の彼女は入退院を繰り返しながらも、直前まで舞台やナレーションの現場に対する意欲を失っていませんでした。
報道各社の取材データおよび所属劇団「円」の関係者による証言によると、岸田は亡くなる数年前から体調を崩しがちであったものの、周囲に弱音を吐くことは一切ありませんでした。現場では常に凛とした佇まいを崩さず、独特の低音ボイスで周囲を魅了し続けていたといいます。倒れる直前まで自らの足で劇場に通い、表現者としての矜持を全うした最期でした。
葬儀・告別式は密葬として近親者のみで執り行われ、後日開かれたお別れの会には、演劇界・文壇・映画界から数多くの著名人が参列しました。祭壇には穏やかな笑みを浮かべる遺影が飾られ、参列者からは「最後まで気品とユーモアを失わなかった」と、その生き様を称える声が相次ぎました。