情報が氾濫するWeb上には、塩麹調理に関するいくつかの誤解が存在します。素材の良さを損なわないために知っておくべき盲点を整理します。
誤解1:長期間漬け込むほど柔らかく美味しくなる?
「数日間漬けっぱなしにしておけば、さらに柔らかくなる」と考えるのは危険です。冷蔵環境であっても3日以上漬け続けると、プロテアーゼによるタンパク質分解が進みすぎ、肉の繊維構造が崩壊して「ボロボロ」「ペースト状」のような締まりのない不快な食感に変化してしまいます。また、浸透圧によって肉内部の水分が過剰に抜け、逆にパサつく原因にもなります。冷蔵での漬け込みは最長でも24〜48時間以内に留め、それ以上保存する場合は速やかに冷凍庫へ移すのが正しい管理法です。
誤解2:塩麹漬けはヘルシーだからどれだけ食べても太らない?
健康的なイメージの強い発酵食品ですが、栄養成分のバランスを正しく把握しておく必要があります。文部科学省の日本食品標準成分表に基づき算出すると、手羽元1本(可食部約50〜60g)あたりの熱量は約100〜120kcalです。皮付きの手羽元は脂質が比較的高く、塩麹大さじ1(約18g)には約20kcal・炭水化物(糖質)約4.5gが含まれています。
塩麹の糖分は米麹のデンプンが分解されたブドウ糖であるため、一般的な砂糖を多用した照り焼きタレに比べれば血糖値の急上昇を抑えやすい利点があります。しかし、糖質制限中の方は皮の脂質と麹の糖質の合算値に留意し、1食あたりの摂取本数を3〜4本にコントロールするか、茹でこぼして余分な油を落とすなどの工夫が有効です。