オーストラリア準備銀行のミシェル・ブロック総裁は、国内の根強いサービスインフレを抑え込むため、金利の高水準維持を粘り強く主張し続けている。労働市場の力強さを背景に、安易な緩和への転換を拒む姿勢は明確だ。一方で日本銀行の植田和男総裁は、デフレ脱却を確固たるものにすべく、段階的な金利引き上げのルートを注意深く探る。両中銀トップの発言一つで、市場の潮目は一瞬にして変わる。
これまでの「円売り・豪ドル買い」という単純なキャリートレードの構図は崩れ去りつつある。日豪の金利差が縮小方向へ向かうという確信が強まれば、膨大な円ショートポジションが一気に巻き戻される潜在的リスクを孕む。投資家たちは中銀声明の行間を読み解こうと必死だ。