『ブリキノダンス』はなぜ、これほどまでに歌い手を惹きつけ、同時にカラオケで挫折者を生み出し続けているのでしょうか。同時代のボカロ高速曲および難関曲との比較データを提示し、その特異性を浮き彫りにします。
データが示す通り、『ブリキノダンス』のBPM自体は約150と、BPM200超が乱立する近年のボカロ界隈においては中速域に属します。しかし、1拍あたりに詰め込まれる情報量(モーラ数)の密度が突出しており、さらに破裂音(バ行・パ行・タ行)の多用によって口腔の筋肉にかかる負荷が極めて高いのが特徴です。BPM以上の体感速度を生み出す音響設計こそが、本作の難易度を跳ね上げています。