怒られている最中や、お通夜の席。緊張感がピークに達したその瞬間、なぜか口元が緩んでしまう。この現象の背景には、脳の自己防衛システムが深く関わっている。
人間は過度なストレスや緊張に晒されると、心が壊れてしまわないよう、無意識のうちにバランスを取ろうとする。精神医学ではこれを「防衛心性」と呼ぶ。つまり、脳が「この張り詰めた空気を和らげなければ危険だ」と判断し、強制的に「笑い」という緩和剤を注入してしまうのだ。当事者にとって、笑いは楽しいから出ているのではない。むしろ、恐怖や不安の裏返しなのである。