地域に親しまれた屋外プールが営業終了に至った最大の要因は、施設全体の深刻な老朽化と、それに伴う財政的負担の増大です。開設から数十年が経過した施設内部では、地中配管の腐食による漏水やコンクリート躯体の劣化、ろ過設備の機能低下が年々深刻化していました。
岸和田市が公表した公共施設マネジメント計画および点検調査データによると、安全基準を満たした上で施設を維持・大規模改修するためには、数億円規模の莫大な投資が必要であることが判明。少子高齢化に伴う利用人数の減少傾向や、近年の異常気象による猛暑日の増加・営業日数の制約なども重なり、単独でのプール施設維持は極めて困難との判断が下されました。
加えて、新型コロナウイルス感染症の流行期における休止期間を経て、自治体全体の公共施設等総合管理計画に基づく「選択と集中」の方針が確定。岸和田市営プールの営業終了の経緯は、突発的な事故などではなく、将来の世代に過度な財政負担を残さないための計画的な公共施設再編プロセスであったといえます。