多くの初心者が直面する最大のトラブルが「土手の決壊」です。中央に注いだ出汁が具材の隙間から一気に外側へ溢れ出し、鉄板の端で焦げ付いてしまう現象には、明確な構造的原因が存在します。
もんじゃ焼きの土手が決壊する主な原因は以下の3点です。
第一に、キャベツの切り方が粗すぎる点です。市販の千切りキャベツや大ぶりに切られた野菜は隙間が大きく、液体の圧力に耐えられません。プロの厨房では、キャベツをあらかじめ粗みじん切り(5mm〜8mm角)に揃えておくことで、炒めた際に具材同士が密着し、強固な防壁を形成します。
第二に、土手の中央が鉄板まで掘り切られていない点です。中央の底にキャベツが残っていると、注いだ出汁の熱伝導が遅れ、とろみがつく前に水位が上がって横から漏れ出します。中央部分は鉄板の金属面がしっかり露出するまでドーナツ状に広げるのがポイントです。
第三に、出汁を一気に全量流し込んでしまう点です。冷たい出汁を一度に入れると鉄板の温度が急激に下がり、とろみがつく前に土手が決壊します。まずは全体の3分の1を注ぎ、鉄板の熱でブクブクととろみが立ったら次の3分の1を足す、というように段階的に注ぐことで絶対に決壊しない土手が完成します。