マイクの前を離れた瞬間、松風は一流の「喋り手」としてスタジオの空気を一変させる。bayfmをはじめとするラジオ番組のパーソナリティ、あるいは大規模ゲームショウのステージ司会者として、彼が発揮してきた即興力は業界屈指だ。台本通りに進むことなど最初から期待していないかのように、壇上のハプニングを瞬時に極上のエンタメへと昇華させる。
ゲストの懐に踏み込みながらも、絶対に一線を越えない品の良さ。それでいて、予定調和を求めるクライアントの顔色を伺うことなく、現場の熱量だけを最優先する潔さがある。「ラジオの前のリスナーを絶対に退屈させない」という貪欲なサービス精神は、芸人のそれともアナウンサーのそれとも違う、たたき上げのエンターテイナーだけが持つ凄みだ。