SNSや知恵袋などでは、長年にわたり「細木数子は暴力団幹部と結婚していたのではないか」「愛人が何十人もいたのではないか」というアンダーグラウンドな憶測が書き込まれ続けています。溝口敦氏による綿密な調査報道『魔女の履歴書』などでも指摘された通り、彼女が赤坂や銀座のクラブを経営していた昭和の時代、興行関係者や裏社会の実力者たちと密接なパイプを持っていたことは否定できない歴史的事実です。
しかし、取材班が当時の関係者や芸能プロ幹部に取材を重ねると、彼女が選んだ人生の実像は「男に溺れる女」とは正反対の姿でした。
「細木先生は、男をビジネスの取引相手やパトロンとしては信用しても、自分の全財産や人生を預ける配偶者としては絶対に信用していませんでした。晩年になればなるほど、裏切らないのは『自分が手元で育て上げた擬似的な血族』だけだという強迫観念めいた信念を持っていたようです」(元テレビ制作会社プロデューサー)
世間が抱く「派手な愛人遍歴」というスキャンダラスなイメージの裏側にあったのは、男社会の暴力や権謀術数を肌で知り尽くしたがゆえの、配偶者という制度に対する強烈な警戒感でした。