ネット上では「自力で口ゴボを治す」「輪郭マッサージでEラインを作る」といった情報が後を絶ちませんが、結論から述べると、骨格や永久歯の並びをセルフケアで物理的に後退させることは不可能です。
強く指で歯を押す行為は、歯根吸収(歯の根が短くなる現象)や歯周組織の破壊、最悪の場合は歯の神経が死滅するリスクを伴います。市販のマウスピースによる安易なセルフ矯正も、噛み合わせの崩壊を招く危険性が日本矯正歯科学会などの専門機関から警告されています。
ただし、予防および姿勢維持として意味を持つのが舌の位置の改善(ミューイング:Mewing)です。本来、安静時の舌は「上顎の天井(口蓋)にピタッと張り付いている状態」が正常です。舌が下に落ちる「低位舌」を改善することで、口呼吸を防止し、フェイスラインのたるみや口元の筋緊張を和らげる補助的効果は期待できます。あくまで「悪化予防と筋機能の正常化」であり、突出した骨や歯を引っ込める治療ではないという冷静な認識が必要です。