幸福の木に異変が現れた際、早期発見ができるかどうかで株の寿命は劇的に変わります。植物は言葉を発しない代わりに、葉の色や幹の硬さで明確なSOSサインを出しています。
最も相談件数が多い幸福の木の葉が黄色くなる理由は、大きく分けて「根腐れ」「水切れ」「日照不良・葉焼け」「根詰まり」の4パターンです。下葉から徐々に黄色くなり、触るとポロリと落ちる場合は、鉢底に水が滞留して根が窒息している根腐れのサインです。一方、葉全体がハリを失って垂れ下がり、土がカラカラに乾いている場合は単純な水不足が疑われます。また、直射日光に当てすぎて葉の一部が白っぽく抜けた後に茶褐色へ変色するのは「葉焼け」であり、一度焼けた組織は元に戻りません。
さらに深刻なSOSが、幸福の木の幹がぶよぶよと柔らかくなる現象です。これは根腐れが進行して幹の内部まで腐朽菌や軟腐病が侵入した状態を指します。樹皮の下がスカスカになって異臭を放っている場合、放置すれば数週間で全体が崩壊します。この段階からの復活方法として有効なのは、腐敗した部位を完全に切り落とす外科手術です。健全な硬さを保っている上部の枝を切り取り、後述する「挿し木(天挿し)」によって新たな根を発根させることで、大切な遺伝子を次世代へ繋ぎ止める再生ルートが確立されています。