劇場版『名探偵コナン 漆黒の追跡者』で初登場を果たしたアイリッシュは、筋骨隆々たる巨躯と金髪がトレードマークの屈強な幹部です。その役割は、広域連続殺人事件の被害者の中に紛れ込んだ「組織のスパイリストが収められたメモリーカード(SDカード)」の回収でした。
彼の真骨頂は、単なる武闘派に留まらない緻密な諜報能力と高い知能にあります。警視庁捜査一課を統括する松本清長管理官を拉致・監禁し、高度な特殊メイクと変声技術を用いて完璧になりすましました。白鳥警部や目暮警部、さらには他府県警の敏腕刑事たちが一堂に会する合同捜査会議の場を完全にコントロールしてみせた手腕は、組織内でも極めて突出しています。
さらに特筆すべきは、アイリッシュの声を担当した声優・郷里大輔氏の存在感です。『ドラゴンボール』のミスター・サタンや『機動戦士ガンダム』のドズル・ザビ役などで知られた名優・郷里氏の重厚かつ深みのある低音ボイスは、アイリッシュの冷徹さと胸の奥に秘めた情念を見事に体現しました。郷里氏が逝去される前年の魂の熱演は、今なおファンの間で「名演中の名演」として語り継がれています。
空手部の実力者である毛利蘭の近接戦闘を巨体とスピードで圧倒し、拳銃の弾丸さえ掻い潜る驚異的なフィジカル。知力・武力・潜入工作のすべてにおいて、アイリッシュはコナンを極限まで追い詰めた屈指の実力者でした。