井上晴美さんが東京を離れて地方へ生活拠点を移したのは、「子供たちを自然豊かな環境で、土に触れさせながら育てたい」という強い教育方針からでした。長野県などでの生活を経て、最終的に自らのルーツである熊本県への移住を決断します。
しかし、移住生活が軌道に乗り始めた矢先の2016年4月、熊本地震が発生しました。最大震度7を記録した激しい揺れにより、彼女たちが丹精込めて手入れをしていた自宅は無残にも全壊。家財道具も失われ、ライフラインが寸断される壊滅的な被害に見舞われました。
被災当時、井上さんは避難所やテントでの厳しい避難生活を余儀なくされ、ブログに「もう限界」「水も食べ物もない」と被災地の過酷な現実を発信しました。一時はネット上で心ない批判にさらされる辛い局面もありましたが、家族で力を合わせ、地域の人々と助け合いながら一歩ずつ生活を再建していきました。この過酷な被災経験を経たことで、命の尊さや家族の絆、地域コミュニティとの繋がりがより一層強固になったと振り返っています。