個人のカリスマ性だけで運動が前進したわけではない。彼が結成を主導した南部キリスト教指導者会議(SCLC)は、南部の教会ネットワークを結びつけ、民衆草の根運動の原動力となった。一方、法廷闘争や法改正のロビー活動で実績を上げていた全米有色人種地位向上協会(NAACP)との連携は、運動に制度的裏付けを与えた。
組織同士の路線対立や主導権争いは絶えなかった。資金不足、内部の意見対立、地元警察による露骨な弾圧。幾重もの困難に直面しながらも、彼らはメディアを効果的に活用し、警察の残虐な対応を全米のテレビ画面に映し出すことで世論を味方につけていった。