現在行われているエングレービングには、伝統的な「手彫り」と先端技術を用いた「レーザー加工」の2つの主要なアプローチがあります。
手彫りの現場を支えるのは、エングレービング手彫り職人が操る「タガネ」と呼ばれる鋼の工具です。職人は先端の形状が異なる複数のエングレービングタガネ工具を使い分け、小槌で叩きながら、あるいは手の平の体重を乗せながら、金属の硬度を感じ取りつつ0.1ミリ単位で刃を進めます。彫る深さや角度を自由自在に変えられるため、手彫りならではの有機的なうねりと、切削面が鏡のように光を反射する「照り」が生まれます。
一方で、普及が進むレーザーエングレービング加工は、高出力のレーザー光を照射して素材表面を瞬時に蒸発・切削する工法です。コンピューター制御による精密な図面再現が可能で、極小の文字や微細なロゴマークも歪みなく均一に再現できます。短時間で施工でき、コストを大幅に抑えられる点が大きな利点です。
「手仕事ならではの圧倒的な迫力と温もり」を求めるなら手彫り職人への依頼、「複雑なロゴの完全再現やコストパフォーマンス」を重視するならレーザー加工というように、目的や予算に応じた使い分けが定着しています。