男湯と女湯をまたぐ壁面にドーンとそびえる富士山。これは日本に数少ない銭湯絵師の巨匠・丸山清人氏の手によって描かれた見事なペンキ絵だ。ダイナミックな筆遣いと澄んだ青のグラデーションは、眺めているだけで心が洗われるような存在感を放つ。
屋号の由来でもある弁財天が祀られた縁起の良い佇まいも、訪れる者を惹きつけてやまない。芸事や財運を司る七福神の一柱に見守られながら浸かる湯は、どこか神聖で、心身の邪気を払ってくれるかのような特別な清涼感に満ちている。歴史ある銭湯ならではの情緒が、ここには凝縮されているのだ。