石田ひかりの名を確固たるものにした金字塔といえば、大林宣彦監督による映画『ふたり』(1991年公開)にほかならない。突然の事故で姉を亡くした妹が、残された姉の霊に見守られながら成長していくファンタジー作だ。
この作品で魅せた繊細かつ圧倒的な演技により、彼女は日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数々の映画賞を総なめにした。日本映画界における「若手演技派」の旗手として位置づけられた瞬間だった。死生観と少女の揺れ動く心を瑞々しく表現した『ふたり』の成功は、その後の彼女の演技キャリアにおける揺るぎない土台となった。