高級ショートケーキの概念を世に知らしめた先駆者といえば、ホテルニューオータニの「パティスリーSATSUKI」をおいて他にない。グランシェフの中島眞介氏が手がける「エクストラスーパーあまおうショートケーキ」は、ケーキ1ピースの価格が4,000円を超えるにもかかわらず、シーズン中は予約が殺到する伝説的な存在だ。
その主役を務めるのは、福岡県産の厳選された大粒の「あまおう苺」。単に甘いだけでなく、濃厚な果汁と上品な酸味を兼ね備えた最高峰の果実が、惜しげもなくスポンジの間に敷き詰められる。さらに驚かされるのは、苺の個性を引き立てるために綿密に設計された玄米卵のスポンジ生地と、九州大牟田産の低温殺菌原乳を用いた特製生クリームの存在だ。口に運んだ瞬間、生クリームは空気のように溶け去り、濃厚なあまおう苺の香りと芳醇な余韻だけが舌の上に残る。計算し尽くされた構造美がそこにある。