エンターテインメントの現場において、体毛の有無は作品のクオリティを左右する重要な視覚的要素です。特に1970年代以前を舞台にした歴史劇や時代劇、戦争映画、ディストピア作品では、女優の脱毛処理がリアリティを損なうノイズになり得ます。
欧米の映画制作現場では、衣装やメイクアップと同様に、ヘア&ボディのディレクションが厳密に行われます。中世ヨーロッパを舞台にしたドラマや、1960年代のヒッピーカルチャーを描く映画に出演するキャストは、契約段階で「撮影期間中の除毛・脱毛の禁止」が取り決められることも珍しくありません。
あるハリウッドのキャスティング関係者の証言によると、「過酷な環境下で生きる女性を描く際、完全に手入れされた脇や脚が画面に映ると、観客の没入感が一瞬で途切れてしまう。プロフェッショナルな俳優ほど、毛を生やすプロセスそのものを役への同化として捉えている」と語られています。単なる主張ではなく、映像表現の純度を高めるためのストイックな選択として体毛が機能しているのです。