2014年5月、アジアのエンタメ業界に激震が走った。EXO(エクソ)の初となる単独コンサートツアー開幕をわずか1週間後に控えたタイミングで、中華圏向けユニットEXO-Mのリーダーを務めていたクリス・ウー(吴亦凡 / Kris Wu)が、所属事務所であるSMエンターテインメントを相手取り専属契約効力不存在確認の訴訟を起こしたのだ。
過密日程による心身の疲弊、収益分配の不透明さ、個人の発展機会の制限――。彼が法廷に突きつけた主張は、韓国の巨大芸能プロダクションシステムに対する痛烈な反旗だった。ツアー直前の離脱劇に、メンバーやファンが受けた衝撃は計り知れない。程なくして同じく中国人メンバーのルハン(鹿晗)も同様にグループを去り、K-POP界における外国人メンバーのマネジメント問題が浮き彫りとなった。和解成立まで泥沼の法廷闘争が続いたものの、彼の視線はすでに故郷・中国の巨大マーケットへと向けられていた。