サンガリアを調べる過程で、多くの読者が目にして困惑するのが「宗教疑惑」という不可解な噂です。「サンガリアはどこかの新興宗教団体が母体なのか?」「怪しい組織が運営しているから安いのでは?」といった根も葉もない書き込みが、知恵袋やまとめサイトの片隅に散見されます。
結論から申し上げますと、株式会社日本サンガリア ベバレッジカンパニーは宗教団体とは一切関係がありません。完全なる民間企業であり、いかなる宗教法人とも資本関係・人的関係を有していません。
では、なぜこのような奇妙な誤解が生まれたのでしょうか。取材を進めると、その原因は「社名の由来」と「昭和・平成期の独特な関西ローカルCM」にありました。
同社の創業者である石山正義氏が名付けた「サンガリア」という社名のルーツは、唐代を代表する詩人・杜甫の有名な漢詩『春望』の一節「国破れて山河あり(國破れて山河在り)」に由来します。どんな困難に見舞われようとも自然の山河は永遠に美しく残り続けるように、清らかな水と自然の恵みを大切にし、長く人々に愛される飲料会社でありたいという崇高な想いが込められているのです。
しかし、昭和後期から平成にかけて関西圏を中心に放映された「いち、に、サンガリア〜♪ に、に、サンガリア〜♪」「ありがとサンガリア」といった独特なリズムと呪文のようなリフレインを持つテレビCMが強烈な印象を残しました。社名がカタカナ表記で珍しく、CMソングの反復性が高かったことから、ネット掲示板の黎明期に「あの社名は何の略だ?」「どこかの宗教団体のお布施で作られているのではないか」という根拠のない都市伝説が面白半分に創作され、真実を知らないライトユーザーの間に断片的に伝播してしまったのが実情です。