メインストリートの華やかさから一歩外れ、薄暗い階段を上がった先には、異様な密度を誇る空間が広がる。ここ数年の世界的なブームで価格が高騰し続けるレトロゲームの専門店だ。ファミコンカセットの山、アーケードゲームの純正基板、黄ばんだブラウン管モニター。これらが無造作に、しかし緻密な分類で並べられている。
店主に話を聞くと、海を越えてやってくるバイヤーたちの熱狂は凄まじく、数百万円単位のレアソフトが日常的に動いているという。ただのノスタルジーではない。失われつつあるデジタル黎明期の遺産を保存し、手に入れるための最後の砦が、この路地裏の雑居ビル群に生き残っているのだ。