ネット上でミームのように広まった「ギコギコはしません」というフレーズの元ネタは、YouTubeやTikTokなどの工具解説動画、ホームセンターの店頭実演、職人が指導する木工バラエティ番組などのワンシーンです。初心者がノコギリを構えて全身で前後に押し引きしようとした瞬間、講師や職人がピシャリと制止し、「あ、ギコギコはしません」と穏やかに告げるシュールなテンポ感が視聴者のツボにはまりました。
また、大手工具メーカーのPR動画や替刃式鋸のCM・店頭デモ機でも「のこぎりは引くだけ。ギコギコ余計な往復運動をさせない」というコンセプトが繰り返し強調されてきた経緯があります。この言葉が持つ真の意味は、決して作業をサボるという意味ではなく、「ノコギリの構造上、往復の両方で力を入れる必要は一切ない」という物理的な正論です。童謡『森の大工さん』などで歌われる「ギコギコトントン」という擬音に慣れ親しんだ日本人にとって、この指導はまさに常識が根底から覆る瞬間となりました。