近年、ネット掲示板やSNS上で「奥入瀬渓流館の駐車場は夜間空いているから車中泊ができるのではないか」という書き込みが散見されます。しかし、奥入瀬渓流館での車中泊は原則として禁止・不適切行為と位置づけられています。
奥入瀬渓流館を管轄する十和田市や指定管理者側は、施設駐車場を「開館中の利用者および散策客のための一時駐車スペース」と規定しています。キャンプ行為はもちろん、連泊を目的とした車中泊や夜間の滞泊は認めていません。十和田八幡平国立公園の特別保護地区・特別地域に隣接するこのエリアでは、アイドリングによる排出ガスや騒音が野生生物に深刻なストレスを与えるほか、深夜のゴミ投棄や排水による水質汚染への懸念から、マナー違反者に対して厳しい視線が注がれています。
また、ツキノワグマの生息圏である奥入瀬周辺では、車外へ食材を放置したり夜間に不用意に出歩いたりする行為は命に関わる重大なリスクを招きます。夜間の安全な宿泊を希望する場合は、徒歩圏内にある近隣のキャンプ場施設(宇樽部キャンプ場等)や十和田湖畔・焼山温泉郷の宿泊施設を正規に利用するのが鉄則です。
もう一つの重大な盲点が「銚子大滝付近などの路肩駐車」です。Web上には「銚子大滝の前に10台ほど停められるスペースがある」といった情報が残されていますが、あれはあくまで幅員を広げた待避スペースに過ぎず、正式に整備された駐車場ではありません。大型観光バスのすれ違いが頻発する国道102号において、路肩に車を長時間放置する行為は道路交通法上の駐停車違反に問われるだけでなく、深刻なボトルネック渋滞を誘発します。「10分滝を見るだけだから」という甘い認識が、観光地全体の機能を麻痺させている実態を重く受け止める必要があります。