黒板五郎役を演じた故・田中邦衛さんとの共演は、竹下にとって生涯忘れられない財産となった。過酷な現場であればあるほど、田中さんの存在は共演者やスタッフ全員の心の支えだったという。
撮影の合間、凍えそうな竹下に温かいお茶を手渡し、「大丈夫かい、景子ちゃん」と声をかけてくれた田中さん。画面上で繰り広げられる不器用ながらも温かい家族の絆は、カメラが回っていない時間における互いへの深い信頼関係から自然と滲み出たものだった。言葉数は少なくても、目線ひとつで互いの意図を汲み取る息の合ったやり取りは、まさに本物の家族以上の絆を感じさせるものだった。