剣山が登山愛好家から圧倒的な支持を集める決定的な理由は、登山口である「見ノ越(標高約1,420m)」から標高1,750mの「西島駅」までをわずか15分で結ぶ観光登山リフトの存在にあります。標高差にして330mを一気に稼げるため、体力に自信のない初心者やシニア、ファミリー層でも無理なく2,000m近い高山環境の醍醐味を味わえます。
とはいえ、西島駅から山頂を目指す道は決して一本道ではありません。景観や傾斜、通過するパワースポットの性格が全く異なる複数のルートが存在し、さらに山頂から足を伸ばして双耳峰のように並び立つ次郎笈(標高1,930m)や、静かなササ原が広がる一ノ森(標高1,879m)へと稜線を繋ぐ縦走ルートが連なっています。
後悔しないルート選びの鉄則は、「自らの体力」「当日の天候と風速」、そして「下山リフトの最終運行時間」の3点から逆算して登頂計画を立てることです。特に次郎笈への縦走は、剣山山頂から見下ろす緑の絨毯のような縦走路の美しさに誘われて衝動的に足を伸ばしがちですが、アップダウンの登り返しで予想以上に体力を削られます。事前のタイムマネジメントが何より重要になります。