SNSやネット掲示板の防災コミュニティでは、大雨のたびに石神井川をめぐるリアルタイムの報告が飛び交います。そこから見えてくるのは、机上の避難マニュアルでは捉えきれない都市生活者のリアルな苦悩です。
「板橋区内のマンション1階に住んでいるが、ゲリラ豪雨のときは川の水位より先に、ベランダの排水溝から『ゴボゴボ』と不気味な音が鳴り始める。下水道のキャパシティを超えている証拠で、川が溢れる前から恐怖を感じる」(30代会社員・SNS投稿より)
「避難指示が出ても、ペットがいたり高齢の家族がいたりすると、土砂降りの中を歩いて指定避難所まで行くのは現実的ではない。結局、自宅の2階で耐えるしかないのが本音」(練馬区在住・住民の声)
住民の間では、川の決壊そのものよりも「道路冠水によって車が水没すること」や「半地下駐車場への浸水」といった日常インフラの麻痺に対する危機感が強く意識されています。都市型水害の現場では、避難所へ行くことだけが唯一の正解ではなく、自室の階層や周辺の標高差に応じた臨機応変な自衛策が試されています。