四十九日のお布施を用意する際、通夜や葬儀の香典ルールと混同して大きな失敗をしてしまう人が後を絶ちません。現場で頻発する代表的な3大誤解を正します。
最も多い誤解が、「四十九日までは喪中だから、封筒の文字は薄墨で書くべき」という思い込みです。薄墨を使うのは、通夜や葬儀の香典において「突然の訃報に涙で墨が薄まってしまった」「急いで駆けつけた」という哀悼の意を示すための作法です。一方、お布施は僧侶やご本尊に対する感謝と敬意の表れであり、あらかじめ日時を決めて準備するものです。したがって、四十九日のお布施は必ず「濃い黒墨(濃墨)」の筆や筆ペンで力強く書くのが正しいマナーです。
次に多いのが、「お布施に新札を入れると不幸を待っていたようで失礼になる」という誤解です。これも香典と完全に取り違えています。香典ではあらかじめ新札を用意しておくことが「死を予期していた」と受け取られかねないため、折り目のあるお札を使うか軽く折って包む慣習がありました。しかし、お布施は感謝のお礼を包む慶事寄りの儀礼であるため、シワのない清潔な「新札(ピン札)」を用意するのが最も丁寧な敬意表現です。新札が手元にない場合でも、できる限り折り目の少ない綺麗なお札を選びましょう。
のし袋(封筒)の選び方にも決まりがあります。四十九日法要では、白無地の和封筒(郵便番号枠のないもの)を用いるか、水引が付いた不祝儀袋を選びます。水引の色は地域によって異なり、東日本では「白黒」または「双銀」、京都や関西圏では「黄白」の結び切りを用いるのが一般的です。表書きの上段には「御布施」または「お布施」、下段には施主のフルネームまたは「〇〇家」と記載します。金額は大字(旧字体の漢数字)を用いて「金 伍萬圓也」のように中袋の中央へ記入します。