全6番からなる歌詞は、大津の三保ヶ崎を出発し、琵琶湖を時計回りに一周するルートに沿って展開します。風光明媚な琵琶湖八景の情景を織り交ぜながら、青春の孤独と憧憬を鮮やかに描き出しています。
特に親しまれている1番の歌詞「われは湖(うみ)の子 さすらいの 旅にしあれば しみじみと…」は、日常のしがらみを離れ、広大な湖に漕ぎ出す若者の開放感と一抹の寂寥感を見事に表現しています。
ファンの間でとりわけ人気の高い3番の歌詞を見てみましょう。
「波のまにまに 漂えば 泊(と)まり定めぬ 湖(うみ)の旅 瑠璃(るり)の花咲く 水の駅 誰がため思い 乱るるぞ」
この3番では、目的地を定めずに波に揺られるボートの上で、淡い恋心や将来への葛藤に胸を焦がす青年の心情が切々と描かれます。「瑠璃の花」は湖面に咲く水草や夕暮れの情景を象徴しており、視覚的にも非常に美しい詩情が漂います。旅の叙情詩であると同時に、誰もが通り過ぎる青春の迷いをすくい取った普遍的な文学作品といえます。